人工関節手術について
当院では主に患者様の症状、状態に応じて人工膝関節置換術と人工股関節置換術を行なっております。
対象となる障害
・変形性膝関節症
・関節リウマチ→リウマチについてはこちら
○変形性膝関節症とは
関節の構成する組織に慢性の退行性変化と増殖性変化が起こり、
関節の形態に変化が起きる疾患のことです。
症状
・疼痛
→立ち座りや歩行時に痛みがあったり、階段の上り下りや、正座ができなくなります。
・圧痛
→膝の内側に関節の変形が起き、圧迫されて痛みが生じます。
・関節水腫
→膝に関節液が溜まり膝に痛みや腫れや熱感や違和感が起きます。
また放置続けると関節液内のサイトカインが炎症や痛みを悪化させることもあります。
・側方動揺性
→立った時に脛骨が大腿骨に対して外側に移動してしまい症状が悪化する。
そのほかにも関節の隙間が狭くなったり、骨棘が形成されて痛みを発生させたり
嚢胞が形成されたりします。
人工膝関節置換術
全人工膝関節置換術の効果
1)破壊された膝関節の機能を再建することにより除痛と変形矯正が得られる。
2)疼痛軽減により歩行能力を改善し、日常生活動作や生活の質の向上を目指す。
3)変形が矯正されることによる患者満足度も高く、広く普及した手術である
どのような人がこの手術を受けるの?
1)膝関節の痛みがひどい。
2)関節がぐらぐらする。
3)関節が硬くなって動きが悪い。立ち座りに苦労する
4)関節が変形している。膝が曲がっている、O脚、X脚など
5)年齢
変形性関節症の場合:60〜65歳以上
関節リウマチの場合:若年者でも適応あり
6)保存的治療を受けたけど良くならない。
薬物療法、理学療法、装具療法(杖やサポータ、足底板など)
7)重篤な合併症がないこと。
高血圧症や糖尿病などの合併症があってもきちんと治療
を受けていれば大丈夫です。
8)手術する関節に感染の既往がないこと。
手術のタイミング
一人での外出が困難となったとき
X線検査:症状と関節破壊の状態が一致
治療スケジュール
1)自己血貯血:1週間に1回外来にて行います。
手術前に400mlの貯血を行います。
2)入院 手術の1日前
3)手術 1.5~2時間程度(1ターニケット)
4)リハビリテーション
翌日より理学療法士によるベッドサイドでのリハビリテーション開始
手術翌日より関節可動域訓練(膝の曲げ伸ばし訓練)→曲がりは1週目で120゜が目標
2日目より起立訓練、歩行訓練開始
3週で退院
条件:T字杖にて屋内歩行可能
曲がり120度以上(目標140度)
手すりを使用して階段昇降が数段可能
退院後も膝の曲げ伸ばし訓練や足上げ筋力訓練や歩行訓練を行い
術後4ヶ月から6ヶ月で旅行やグランドゴルフ等の趣味が楽しめるようになります。
全人工股関節置換術
全人工股関節置換術の効果
1)破壊された股関節の機能を再建することにより除痛と変形矯正が得られる。
2)疼痛軽減により歩行能力を改善し、日常生活動作や生活の質の向上を目指す。
3)変形が矯正されることによる患者満足度も高く、広く普及した手術である
どのような人がこの手術を受けるの?
1)股関節の痛みがひどい。
2)関節がぐらぐらする。
3)関節が硬くなって動きが悪い。立ち座りに苦労する
4)関節が変形している。股関節が伸びない、足が短く感じるなど
5)年齢
変形性関節症の場合:60〜65歳以上
関節リウマチの場合:若年者でも適応あり
6)保存的治療を受けたけど良くならない。
薬物療法、理学療法、装具療法(杖やサポータ、足底板など)
7)重篤な合併症がないこと。(おおよそ80歳くらいまでに)
高血圧症や糖尿病などの合併症があってもきちんと治療
を受けていれば大丈夫です。
8)手術する関節に感染の既往がないこと。
手術のタイミング
一人での外出が困難となったとき
X線検査:症状と関節破壊の状態が一致
治療スケジュール
1)自己血貯血:1週間に1回外来にて行います(2時間程度)。手術の3週間前に400mlの貯血を2回行います。
2)入院 手術の1日前
3)手術 1.5~2時間程度
4)リハビリテーション
翌日より理学療法士による座位訓練(ベット上で座る訓練)
2日目より車椅子でトイレに行けるようになります。
3日目よりベットサイドでの起立訓練→歩行訓練
3週〜4週で退院
条件:T字杖にて屋内歩行可能
退院後も膝の曲げ伸ばし訓練や足上げ筋力訓練や歩行訓練を行い
術後3ヶ月から6ヶ月で旅行やグランドゴルフ等の趣味が楽しめるようになります。